第2回 京都ロービジョンネットワーク研究会 | 明石の田村眼科|日帰り白内障・硝子体・涙道再建・緑内障・眼瞼下垂手術

医療法人瞳潤会 田村眼科

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第2回 京都ロービジョンネットワーク研究会

 

 2019年5月12日(日)に第2回京都ロービジョンネットワーク研究会が行われました。医院で任意参加者を募集したところ11名(!)から参加希望があり、みんなで行ってきました。

 

京都ライトハウス前

 

 

 まずは全員でアイマスクを着けて、視覚障害疑似体験を行いました。この体験では、見えない恐怖を感じるのはもちろんですが、視覚障害の人の立場にたつと聴覚や触覚が敏感になる事がわかりました。話しかける時には声のトーンに気をつける事や、何かの指示を出す時には具体的な内容である方が良いという事を感じました。

 

視覚障害疑似体験

 

 

 次に、緑内障により視覚障害を持たれた方の講演が行われました。普段外来で接しているだけでは分からないような、多くの貴重なお話を聞く事ができました。その中の一つに、自分がどれくらい見えていないのかを自覚する事、またそれを人に説明する事がいかに難しいか、という内容がありました。一定以上の障害が認められていないと身体障害者手帳をもらう事は出来ませんが、既に視力・視野障害を来たしている場合は、日常で出来ない事が増えてきているために就労等が難しくなるケースが実際にあります。更に障害が進むと、運転が出来ない、目的地に辿り付きにくくなるなど、その次の就職活動さえままならなくなってしまうそうです。特に面談時等では、自分に出来る事、出来ない事を言葉にして説明出来ずに苦慮されたとの事でした。眼科では、そういった部分について検査結果だけでなく残存視機能の活かし方を具体的に教えて欲しい、こうすれば見えるようになるのではないかというアドバイスが欲しい、と話されましたので、視能訓練士としてしっかりと心にとめて、患者さんと向き合って対応したいと思いました。

 研修会場内には拡大読書器などの補装具や日常生活用具も数多く展示されていました。遮光眼鏡については経験豊富な視能訓練士さんによる講演もあり、非常に参考になりました。

 

補装具等

 

 

 午後からは分科会となり、私は「患者さんのニーズのつかみ方、連携のツボ ~どの人に、どのように声をかければいいの?~」という会に参加しました。他施設のロービジョン外来でスタッフがどのように患者さんと関わっているかという実例を聞く事ができました。参加者の職種は医師、看護師、視能訓練士その他様々で、所属も大学病院からクリニックまでと色んな人が集まっており、それぞれの施設で感じている事、困っている事を話し合う良い機会となりました。

 

研修会資料

 

 

 一日かけて、勉強したり、体験したり、交流したりととても内容の濃い研修会でした。この研修会に参加して、今後のロービジョン患者さんへのアプローチの仕方、どのような情報を提供出来ると有用か、他施設との連携方法など取り組むべき課題は山積しているなと感じましたが、当院でより良いロービジョンケアを行えるよう、この経験を活かして頑張っていきたいと思います。

 お困りの事があれば、ぜひお気軽にご相談ください。

(記:視能訓練士 藤原)